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ーオフィス内装工事を環境配慮で進める実践ガイドー

環境配慮の基本方針を定める

環境配慮の内装は見栄えやコストだけでなく、資材の循環性や運用エネルギーまでを含めて最適化することが重要です。はじめに優先順位を決めます。廃棄物削減、温室効果ガスの低減、室内空気質の向上、運用コストの最小化などを整理し、数値目標と評価指標を合意してから設計を進めると判断がぶれません。

資材選定と循環型の設計

資材は循環性と安全性の両立が要です。更新時に再利用できること、解体しやすいこと、人体に有害な揮発成分が少ないことを基準に選ぶと長期的な環境負荷を抑えられます。

再生材と認証木材の活用

再生樹脂やリサイクル金属、認証木材などのトレーサブルな素材を採用します。カーペットタイルは張り替え単位が小さく、部分更新で廃棄を抑制しやすくなります。天板や収納はモジュール寸法を統一し、別フロアでも再活用できるようにします。

低VOCと接着剤の最小化

塗料や床材は低VOC仕様を基本とし、現場では乾式工法を優先します。マグネット式やクリック式の床材など接着剤を使わない工法を組み合わせると室内空気質への影響を減らせます。

エネルギー効率の高い照明と空調

設備は運用時の環境負荷に直結します。初期費用だけでなくライフサイクルコストで比較し、照明と空調の制御でムダを削減します。改修可能性を確保すると将来の省エネ更新も容易です。

照明設計と制御

高効率照明を採用し、在席センサーと昼光利用制御で点灯時間を短縮します。作業面の推奨照度を守りつつ、会議室や集中席はシーンプリセットで瞬時に切替えられるようにします。タスクアンビエントの考え方を取り入れ、面全体を明るくし過ぎない設計にします。

空調のゾーニングと熱負荷低減

人の滞在パターンに合わせてゾーニングし、未使用エリアの空調を自動で抑制します。窓面の遮熱、庇やブラインドの最適化、OAフロアの気流設計により熱負荷を下げ、機器の稼働を減らします。定期的なフィルタ清掃と温湿度の適正化で快適性と省エネを両立します。

室内空気質と快適性の両立

環境配慮は健康性の向上と一体です。空気質や音、視環境の質が高いほど生産性も上がります。短期的な材料選びだけでなく、運用後の管理計画まで含めた仕組み作りが重要です。

換気計画とモニタリング

必要換気量を満たすだけでなくCO2や温湿度、微粒子濃度のモニタリングを導入します。開放可能な窓がある場合は自然換気と機械換気を併用できる計画とし、会議室など密度が上がる空間は一時的に換気量を増やせる設計にします。

音環境と材料の選び方

吸音天井やファブリックパネル、床下地の遮音で反響を抑えます。静音性の高い機器を選び、プリンターやサーバは音源を分散配置します。音環境の改善は長時間の集中やオンライン会議の品質にも寄与します。

廃棄物の最小化と解体設計

改修時の廃棄は環境負荷の大きな要素です。解体のしやすさと素材の分別を意識した設計にすると、将来の更新時に資源循環が加速します。施工段階でも端材や梱包材の削減を徹底します。

デコンストラクションの考え方

壊すのではなく外すを前提に、ビス止めやクリック機構など再利用を妨げない納まりを選びます。素材ごとの分別計画を事前に作成し、施工者と回収ルートを共有すると現場で迷いが減ります。

メーカーの回収とリユース連携

床材や照明、什器のリサイクルプログラムを活用し、撤去後の回収先と証跡を確保します。什器はリファービッシュ品や中古市場の活用も検討し、過不足は社内外でマッチングして再流通させます。

サプライチェーンと調達の透明性

環境配慮の取り組みは調達で実効性が高まります。仕様書に要求事項を織り込み、比較可能な形で見積を取得します。納入後は性能と環境情報を台帳化し、更新時に素早く参照できるようにします。

環境要件の明文化

再生材比率、低VOC、木材の認証、修繕可能性、回収スキームの有無などを定量条件として記載します。工事費以外に運用エネルギーや保守費を含めたライフサイクルでの比較表を用意します。

トレーサビリティと情報開示

製品の環境宣言や成分情報を収集し、社内ポータルで共有します。設計変更が発生した場合も条件を満たす代替品に限定し、承認フローで管理します。

社員参加と運用で定着させる

環境配慮は完成時点で終わりではありません。日々の使い方やメンテナンスで効果が維持されます。行動変容を促す仕組みを併せて設計することで、投資対効果を最大化できます。

ルールと見える化

在席センサーの利用方法、照明のシーン運用、換気の基準、リユース棚の運用などをルール化し、サインやダッシュボードで見える化します。定期点検の結果は社内に公開して改善を継続します。

導入後の評価と改善

温湿度、CO2、照度、騒音、電力使用量などを定点観測し、初期目標とのギャップを評価します。季節や人員構成の変化に合わせ、制御設定や家具配置を柔軟に見直します。

まとめ

オフィス内装工事の環境配慮は、素材の選択、設備の効率化、運用の工夫、調達の透明性、社員参加の五つを軸に進めると実効性が高まります。初期段階で数値目標と評価方法を定め、解体のしやすさまで設計に織り込むことで、環境負荷を下げながら快適で生産的な職場を実現できます。

2025.10.17